いげ日記

外出の記録その他

10/3 礼文②

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前回のつづき。

徒歩で観光するにはそこそこ強いレベルの雨のなか、フェリーターミナルから香深のまちへ向かう道はほとんど人気がなく、たまに車が通り過ぎるだけである。こんなにさみしいところだっただろうか。

とりあえず事前にネットで調べておいた喫茶店をさがすことにした。人に会いたいし座りたかった。

ところが住所の界隈を何度歩いても全くそれらしい店が見当たらない。よく見るとその住所も「北海道礼文郡礼文町大字香深村字トンナイ」と番地がなく漠然としている。このあたりは番地が振られていないものなのだろうか。晴れていれば意地でも辿り着きたいところだが、雨のせいで心が折れてしまった。

目的を変更して礼文小学校に行ってみることにした。礼文小学校は母の母校であり祖父の元勤務先である。海沿いの道路から一本内側に入ると、町役場近くの交差点から「学校坂道」と書かれた茶色いトンネルのような通路が見えた。このちょっとした山道を貫くように設置された「学校坂道」を抜ければ小学校があるのだろう。部外者が上っていいのかどうかはわからなかった。

外観からもわかったがドアを開けてすぐ階段があり、ところどころで死んでいる白い蛾に怯えながら上った。階段を上るのが思いの外しんどく、自分の中学校も長くて急な坂の上にあったことを思い出した。ともあれ雨をしのげることがありがたい。しばらく上ってトンネルは左に折れ、また少し上ったところに出口があった。出口の扉は開けたままになっていた。

出口の外に立つと目の前が駐車場になっていた。そのすぐ奥に中学校の校舎、右手に小学校の校舎がある。中学校の玄関ではヤクルトレディと思しき女性と先生らしい男性が立ち話をしている。

さすがに学校の中に入ってしまっては完全に不審者なので、校舎を眺めながら小学生の母と若き日の祖父を想像してしばし感慨に耽ったのち、左手に見える下り坂から戻ることにした。

左手に香深の港を、右手に山を見ながら歩く。天気が良ければ港の景色もきれいなのだろうが、雨と雲のせいで海も街も灰色がかっていた。車道より一段高い歩道らしき道には、山の斜面から雑草がせり出しており、道として機能していなかった。

だいぶ下ったところで道路が島の反対側に行ってしまいそうな方向へ反れていたので、民家や飲食店(営業しているのかは不明)がある方へ曲がった。フェリーターミナルにあった「武ちゃん寿司」の本店と思われる建物も見つけた。狭い下り坂を歩く途中、近所のおじさんが「こんにちはー」と挨拶してくれたのが嬉しかった。徒歩の島民とすれ違う機会が本当に少ないのだ。

喫茶店を探している時に何度も通った道に出た。まだ昼前だったが、なんだかもうくたびれてしまった。喫茶店に寄れなかったのでおなかも空いた。予定よりかなり早いが、仕方ないので「ちどり」へ向かった。昔家族で夕飯を食べたちゃんちゃん焼きの店だ。場所は喫茶店を探した際にチェック済みである。

つづきは次回。