いげ日記

外出の記録その他

毎年「このくらいの雪で」っていう人

今日は東京に雪が降った。東京における11月の積雪は、統計開始以降初とのことで、上京して10年(厳密にいえばそのうち4年は埼玉)になる私もびっくりである。

東京に雪が降ると色々と混乱が生じる。テレビでも大々的に報じられる。こうして東京が雪に翻弄され始めると、必ずそれをとやかく言いたがる人が出てくる。主に「東京はこのくらいの雪で騒ぎすぎ」といったものだ。おそらくそのほとんどは、東京よりも積雪の多い地域出身の人によるものだろう。巷では「北から目線」というそうだ。

私自身、豪雪地帯とは言わないまでもそれなりにまとまった雪が降る場所で育ったが、そうした「北から目線」発言にはものすごい違和感がある。なんだかこっちが恥ずかしいような痒いような、情けない気分になってしまう。

そもそも人口密度が他の地域とは圧倒的に違うから、雪が原因でなくとも電車がちょっと遅れただけで都民は混乱する。つまり雪そのものに驚いて騒いでいるのではなく、雪によるインフラの不具合に振り回されているだけなのだと私は思う。インフラが雪に対応していないのだって雪対策への投資が不要と判断されているからなのだろうし、そこらへん考慮した上での発言なのか甚だ疑問である。

ついでに言うと、地方出身者による「田舎アピール」にも同様の恥ずかしさを感じる。東京で何かあるとすかさず「うちの地元なんて」で始まる田舎自慢を始める人がたまにいるが、彼らは自分の地元だけが田舎だとでも思っているようである。3分に1本電車がくる都会の方がスゴイだけであって、電車が1時間に1本しか来ないことを珍しく思わない人は多いはずだ。

都民なんて田舎者の集まりなのだ。私の周りだけで考えても生粋の東京都民の方が少数派である。他の田舎から出てきた人に向かってドヤ顔で田舎自慢をしている自分の愚かさにそろそろ気づいた方がいい。

大体それぞれの地域がそれぞれの環境に合ったつくりをしているのだから、地域によって珍しい事象は違って当たり前である。東京は積雪が少ないからインフラやノウハウが雪に対応していない。北海道は雪が多いが台風は少ない。逆に沖縄は台風が多いが雪は滅多にない。都市部にはスタバがいっぱいあるが田舎にはなかなか来ない。田舎には自然がいっぱいあるが都心には少ない。

こういうのってなんか苦労を美徳にしたがる日本人の性質が如実に現れている気がする。東京の弱みに目くじら立てて、いちいち鬼の首を取ったように騒ぎ立てる奴のダサさが私は耐えられない。ほんとに聞いてるこっちが恥ずかしいからやめてほしいと毎年思っている。