いげ日記

外出の記録その他

女だから家事してるんじゃないって

私は男女で役割を分けられるのがけっこう嫌いな方だ。

もちろん性別によって少なからず向き不向きがあるのはわかる。

特に力仕事なんかは特別に鍛えている少数派を除き、女性には不向きと考えるのが一般的だろう。

とはいえ役割の適性を検討する際に性別を根拠にされるのはナンセンスである。

だから前の職場でシステム部門に配属され「女の子には難しいよ」「女の子はお手伝いができればいいから」「これなら女の子でもできる」などと上司に言われたときは心底腹が立った。

今時ここまで古ぼけた価値観を披露する人種が存在すること自体驚きだがそれはさておき、このように女性を力不足と決めつけた発言は未だになくならない。

(ちなみにこの会社では「女性営業」と呼ばれる謎の役職があり、それは単に営業職をやる女性を指すのではなく、男性の営業活動を"お手伝い"するというポジションであった。そのため「女性営業」の社員たちは自分が営業活動をするためには男性社員に仕事をもらう必要があり、いわゆる社内営業が主な業務となっている有様であった。)

 

そのわりに私は仕事より家事に力を入れたがるタイプなので誤解されやすい。

私は別に「自分は女だから家庭に入って家事に徹するべきなのだわ」などと思って家事をしてるんじゃない。

もし、逆に私が会社に行って旦那が家のことをした方がうまく回るのならそうするべきし、仕事も家事も二人で分担できるのならそうするのがベストだ。

だけど旦那は平日家のことをする時間なんてないし、私よりも稼いでいたし、本人はそんな自分を気に入ってもいる。

そして私は家事を効率よくこなすのが得意で、会社での仕事も別にできない方ではないが給料がいまいちだしやりがいもなく、仕事のせいで家事のクオリティが落ちることに嫌悪感があった。

このようにたまたま自分は家事、旦那は外で働くのが向いているから、それぞれの得意分野を活かして家庭の全体最適を図っているのだ。

だったらもう旦那が仕事に全力を出せるよう私が家のことを全部やれば、旦那のパフォーマンスが上がり、昇給のチャンスも広がるというわけだ。

私が家にいる限り、旦那を一度たりとも遅刻させることはないし、綿密な計画のもと購入される食材によって食費の抑制もかなう。

 

一億総活躍社会だかなんだか知らないが、社会での労働だけを活躍と呼ぶ風潮も私は大嫌いだ。

確かに仕事に家事に育児にとひとりでこなしている人は確かに活躍しているといえる。

だが社会に出ずに(あるいは社会に出る時間を限定し)家のことに力を入れている人もたくさんいて、そうした人たちが活躍していないということにはならない。

 

私は女性としての自分に甘んじたり諦めたりしているわけではなく、私という個人の適性と希望によって家事を頑張ると決めたのだ。

夫婦の役割分担を「夫だから」「妻だから」で決めるのは時代遅れだし、かといって男女平等とは妻だけがなんでも屋になることではない。

だが「妻である私」ではなく「個人である私」が家族内でどのような役割を持ちたいか考えた結果が旧来と同じになる場合もあるのだ。

 

またアツくなってしまった。

要するにステレオタイプが嫌いということ。

おわり